【PDF】サイフォンの原理は水の非圧縮性をもたらすメカニズムから説明される

【PDF】サイフォンの原理は水の非圧縮性をもたらすメカニズムから説明される

「サイフォンの原理」によって,水は高い位置から低い位置に自発的に移動する.
ここで水が部分的に重力に逆らって上昇するのは,一見すると直感に反するかもしれない.
非圧縮性流体を仮定すると,質量保存則により水は各位置に共通の速度u(t)で,足並みを揃えて一斉に流れなければならない.
このとき運動方程式は圧力を決定するのに用いられ(運動→力),〈力→運動〉という因果方程式の役割を果たさないから,「何故,水が流れるのか」という問いには答えられない.
そこで「何故,水が流れるのか」という問いに答えるには,水の非圧縮性をもたらすメカニズムを説明しなければならない.
今,水が局所的に膨張し,密度が薄まったとすると,その部分では圧力が減少するから,周りから密度のゆらぎを打ち消すような復元力を受ける.
密度は定常状態における値の周りに振動し,音波を成す.
こうして非圧縮性流体の仮定は良い近似となる.

なおこれ以外にも理論物理学の各分野のノート (PDF) をホーム画面に公開している.

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